壬生狂言

2016.10.10

きのうの新聞に 「壬生(みぶ)狂言」 のことが出ていた。

壬生狂言
2016年10月9日付け京都新聞朝刊30面

京都の 壬生寺(みぶでら) で演じられる狂言で、京都の年中行事のひとつとなっている。

京都生まれの私も、小さい頃から「壬生狂言」という名は聞いているし、年3度ほどの上演の都度 新聞記事になるのでよく知っている。
しかし若いころから京都を離れ、最近京都に戻ってきたものだから、実際に「壬生狂言」を見たことはなかった。

それで壬生寺に行ってみることにした。

壬生寺
生まれて初めての 壬生寺、2016.10.10 12:57 PM

壬生(みぶ)(でら)といえば、「壬生狂言」よりも、新撰組ゆかりの地としての方が知名度は高いかもしれない。
境内はけっこう広い。
新撰組はこの広場で暗殺の訓練をしていたらしい。

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さて、「壬生狂言」はどこでやってるのかな・・・ と思って 広い境内を横切っていったら コンクリ製の「壬生狂言鑑賞席」があった。
開演時間で もう満席だったが(定員400名)、立ち見 なら入れるというので 急いで入れてもらった。

壬生狂言
鑑賞席入口
鑑賞券には、演目で最も人気のある「炮烙(ほうらく)割り」のイラストが

上演演目は1日6題だが、人気のある「炮烙割」は毎日、最初に演じられるようだ。

壬生狂言の上演演目
上演演目は1日6題

「鑑賞席」がコンクリ製なので、中はどーなってるのかなぁ・・・ と思いながら入っていったら、(2階の高さにある)舞台の向かい側に「鑑賞席」が作られているのだった。

と、すぐに「炮烙割」が始まった。

壬生狂言は鎌倉時代の終わりころに円覚(えんがく)上人が疫病退散のために始めた念仏で、仏教を分かりやすく説くために大げさな身ぶり手ぶりで表現する無言劇にしたそうだ。
ただ、江戸時代以降は、布教活動というよりも大衆娯楽として継承されてきたという。
しかし、鎌倉時代以来絶えることなく 700 年以上も続いているという。
しかも、演じているのは地元の普通の人だというから、まさに大衆芸能だ。

壬生狂言
上演中は撮影禁止だが、舞台(建物)だけ、「炮烙割」が終わった休憩時間にちょっと撮らせてもらった

笛と太鼓と鉦(かね)だけで 演技が続く。
しかしながら、無言劇なのでストーリーは全くわからない。
面白い(?)場面では観客席からクスクス笑い声が漏れたが、こっちは何のことかわからなかった。

「炮烙割」が終わった後の休憩時間に解説書を買って読んだら、

太鼓売りと炮烙(ほうらく)売りが市場の出店の順番を争う話で(一番乗りだけには免税という特典がある)、太鼓売りが先に来たのに、あとから来た炮烙売りが役人に「先に来た」とごまかして免税の特典を得、商品の炮烙を店頭にならべ終わった。しかし納まらない太鼓売りは怒りをぶつけて、商品の炮烙を全部棚から落して、腹いせに割ってしまった。

ごまかして悪いことしたらあかん、という教訓譚だった。

炮烙割
「炮烙(ほうらく)割り」のフィナーレ、太鼓売りが炮烙を棚から落す場面
割れた炮烙からは土煙が立ち上っている
© 京都新聞社、2016.10.8

炮烙は参詣者が炮烙に願い事と氏名を書いたものだ。
それを景気よく割ってもらうという訳だ。(=これで願いがかなう)

上で私は、「炮烙割は人気があるので毎日上演される」と書いたが、もちろんそういった意味合いもあるだろうが、それよりも、参詣者の願いをかなえるという重大な使命があるようだ。 ・・・と思った。

次は「紅葉狩」。
解説書にはこうあった。

平維茂(これもち)が鹿狩りの途中に現れた美女に酒を勧められ、断りきれずに飲む。
これが実は毒酒で、維茂は気絶する。
美女は本性を現し、維茂の刀を奪って消え去る。
気絶した維茂の夢枕にお地蔵さんが現れて、女は鬼女だと教えられ、太刀を授かる。
目覚めた維茂は、鬼女の姿になった女を退治する。


紅葉狩
「紅葉狩」のフィナーレ、平維茂(これもち)が鬼女を退治する場面
© 日刊スポーツ、2016.10.8 特別版

鬼女は断末魔に紅葉の枝を食いちぎって絶命する。
維茂は鬼女の首級を挙げて幕。

スペクタクルなストーリーがわかっていると話は面白い。
謡曲「紅葉狩」のストーリーを そのまま 壬生狂言 に翻案したらしい。

あと4題あったが、時間の都合で切り上げて帰った。
でも、伝統芸能に魅せられた秋のひとときだった。

2016.10.10









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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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