東山魁夷展に行く

2018.9.27

いま京都・岡崎の国立近代美術館で開かれている 「生誕110年 東山魁夷展 」 の夜間貸きりの招待券をもらったので見に行った。

ポスター

回顧展とあって、若いころの作品から絶筆まで一堂に会していた。
なかでも必見の作品は唐招提寺御影堂の障壁画だった。

山雲
唐招提寺御影堂障壁画のうち《山雲》(部分)、1975年、唐招提寺

むかし唐招提寺の境内に入るのに拝観料が要らない頃、私はしばしば奈良を訪れ唐招提寺に遊び、天平文化の香りにひたったことがあった。
その頃は御影堂という建物はなく、鑑真和上像は開山堂にあった。
その後私は遠くに引っ越したので久しく唐招提寺を訪れる機会がなかったが、境内には鑑真和上像を安置する御堂ができ、東山魁夷の筆になる立派な障壁画もできたと 風の便り に聞いていた。

その障壁画全部 (襖絵と床の壁面全68面 !! )がこの展覧会で展示され、しかも柱や鴨居まで設(しつら)えられていたのには感激した。
曰く ― 『 再現展示 』 だという。
苦労の末、日本にやってきた鑑真和上は盲目となった。
画家・東山魁夷は、和上が見ることの叶わなかった日本の風景を和上に捧げる意気込みで描いた・・・ とのこと。
構想から完成までに10年を要したという。
じっくり味あわせていただいた。

東山魁夷は川端康成に 「京都のよさは日に日に失われている、描くならいまだ」 と言われたそうで、京都に滞在し何枚も京都を描いていた。

花明かり
《花明かり》 1958年、大和証券グループ所蔵

この1枚は、その日大原から急いで戻ってきて円山の枝垂れ桜の満開に間に合って描いたものだという。 
月がいましも東山から上ってきている図である。

館前
京都国立近代美術館

夜間貸きり展覧は9時までで、最後追い出されるようにして美術館をあとにした。

満月
東の空に居待ち月がぽっかり 21:04 PM

すると、美術館の向かい側、東山は建物の陰で見えないが、十八夜の月が東の空にあがっていた。(註: 満月=中秋の名月は3日前の9月24日だった。)

ちょうど1000年前、西暦1018年10月16日、藤原道長は 「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」 と詠んだ。
その満月だったが、24日からずっと天気が悪く、月が見えなかった。

きょうやっと月が見えた。
1000年前に道長が見た月 だ。
あしたから天気はまた下り坂で台風も来るという。
ラッキーだった。

2018.9.27






いやはやえらい時代

2018.9.20

使用開始後10年経った電気メーターは取り替えることになっているそうだ。
きょう、業者の方が取り替えに来られた。
『停電しませんから安心してください』 とのこと。
へーっというような顔をしていたら 『バイパス作りますから』 との説明があった。
なるほどぉー

感心している間に作業は始まった。
電動ドライバー(コードレスの)があるから作業は早い。

取り替え作業
バイパス作業中

新しい電気メーターを作業袋から取り出してきて交換。

取り替え作業
新しい電気メーター

あっという間に取り換え作業、完了。

終わったところで、作業を見ていた私に 「はい、終わりました」 と言って紙切れを渡された。
「スマートメーター設置完了のお知らせ」 とあるではないか。
へぇー、やっと 待望のスマートメーター か

メーター
新しい電気メーターはスマートメーターだった

私は退職前、新技術とその市場規模予測の文献を取り扱う仕事をしていた。
そこにはよく 「スマートメーター」 のことが出ていた。
だから、もう20年以上も前から 「スマートメーター」 のことは知っていた。
日本は遅れてるなぁー と思い続けてきた。
それが きょうやっと実現したのだ。
これで検針の手間がはぶける・・・ と 喜んだ。

メーター
これがスマートメーター

電力会社のホームページを見たら、スマートメーターは日々30分ごとに電気の使用量を計測するという。
私はいま毎月の電気代の請求金額をインターネットで見られるようにしているが、その画面の中で、30分ごとの計測データが見られるようになるそうだ。
いやいや、そこまでしてもらわなくてもいいんだが。

いやはやえらい時代になった もんだ。

2018.9.20





繰り返し見た

2018.9.11

私は自慢じゃないがスポーツ音痴、というかスポーツに関心がない。
こんど生まれ変わったらスポーツファンになりたいし、スポーツする人間になりたい。
常にそう思っている。
人生間違えた。

そんな私だが、日本人が全米オープンというテニスの大会で優勝したという。
初めて 「 4大大会制覇 」 したというので新聞やテレビで大騒ぎだ。
だからスポーツ音痴の私も野次馬根性で新聞を見、Youtube で動画を見ることになった。

記事
「4大大会制覇」と書く新聞 (© 京都新聞 2018.9.11 朝刊 )

「4大大会制覇」と書かれていたから、素直に「4大大会を(つまり4つの大会を)制覇した」という意味だと思った。
ところが、「4大大会を(4つの大会を)一つでも優勝した」ら「4大大会制覇」となるらしい。
4大大会とは、世界の4つの大きなテニスの大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープン)を指すのだそうだ。

今回、グランドスラムという言葉も聞いた。
調べてみたら、上記の4つの大きなテニスの大会を制覇する(優勝する)のを指す、とあった。
こちらも素直に考えたら、4つ全部に勝ってグランドスラムになる、と思う。
でも実際は4つの大きな大会(の一つ)を制覇したらグランドスラムになるんだそうだ。
くどいようで申し訳ないが、私のようなスポーツ門外漢にとっては、言葉の使い方がおかしい、と思った。

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閑話休題。
きょうこのブログを書く気になったのは日本語表現への苦情ではない。
初めて全米オープンで優勝した日本人のことだ。
選手の名は大坂なおみ(20)。

勝負が決まった後の表彰式 (英語で「trophy ceremony」というらしい) で自分が優勝したことに困惑した表情で「こんな結果になってすみません」 と謝罪する姿に感動した。
Youtube で 繰り返しなんども見 てしまった。

大坂なおみが破ったのはセリーナ・ウイリアムズ(36)というアメリカ人選手で、今回初めて聞く名前だった。(大坂なおみも初めて聞く名前だったが。)
聞けば、セリーナはなんと2002年に世界ランキング1位になって以来なんども世界1位になっているし、4大大会では通算23回も優勝しているテニス界の超大物だそうだ。
だから地元アメリカでは超人気で、今回も地元のほとんどの観衆はセリーナファンで、セリーナの勝利を確信していたらしい。
そりゃそうだろう。

だから大坂は多くの観衆に対し 「みんながセリーナを応援していたのは知っている、こんな結果になってすみません」 と語ったのだ。
こんなこと言えるのは日本人だけだ。
なんでも「すんません」と言えば赦免されると思う日本人だが、この場合は違う。
このシーンを見て涙が出た。
そして、「試合を見ていただいてありがとう。本当にありがとう。」
実に謙虚で礼儀正しい。

osaka_548.jpg
私と一緒にプレーしてくれてありがとう (Youtube から)

さらに続けて、「セリーナと全米オープンファイナルで対戦する夢がかなった。あなたと対戦することができて本当によかった。私と一緒にプレーしてくれてありがとう。」
セリーナは、ウィンブルドンと全米オープンの2大会連続優勝したのが1998年というから(ただしダブルスで)、大坂なおみが1歳のときだ。
だから、大坂にとってセリーナは子供のころからのあこがれだった訳だ。

傲慢そうに見下すセリーナに向かってペコリとお辞儀。
この謙虚さは世界に通じるのか、いや通じるはず、必ず通じてほしい。

これは 日本人 だ!
日本人の鑑だ。
大坂選手は外人とのハーフだし、フロリダに住んでいるので英語をしゃべっているから、一見日本人には思えないところがある。
しかし、本人も親も「日本人」と登録して大会に出場した。
うれしいね。
国民栄誉賞ものだ。

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今回 『女王』 セリーナの荒れた試合態度も youtube でいやほど見せられた。
世界一になるには並大抵の実力ではなれないのもわかるし、実際実力が伴っていたから4大大会では通算23回も優勝できたのだろう。
闘志満々で戦い取る必要があり、きれいごとやウブでは世界一にはなれないのだろう。
それにしても 見苦しかった
テニスは紳士淑女のスポーツと言われていた。
いまや紳士淑女では世界一になれないほど熾烈になっていることか、と思い知らされた。

セリーナはダブルフォールト2つでゲームを落とすと怒りを爆発させた。

Serena(2).jpg
怒りにまかせてラケットをコートに叩きつけたセリーナ

グニャリとなって無残に壊れたラケット。
しかし、テニスの試合でこんな風景は珍しくない、というから驚きだ。

ラケットを壊したのは規則違反になるらしく、セリーナはポイントを取られた。
次のゲームでもブレークされると試合を中断して審判に対し猛然と抗議した。

Serena(4).jpg
セリーナはほんとに「thief」(泥棒)と言っている

泥棒と聞いてもなんのことかピンとこないが、(自分に与えらるべきポイントを)奪って(相手選手に与えた)から泥棒なんだそうだ。
キツイことばだ。

テニスの試合でこんな抗議風景もよくあることだという。
ことし5月にも、世界ランキング8位のカロリナ・プリスコバという選手(26)が、試合に負けたのは審判の間違いだとして審判席をラケットで叩き壊したそうだ。(イタリア国際 2回戦)
仰天だ。

なにごとでも世界一には並大抵ではなれないことはわかる。
紳士淑女のスポーツ、テニスも例外ではないのだろう。
常識的なことだが、再認識させられた。
きょうの私でした。

2018.9.11






400年前の屏風

2018.9.9

今上天皇が来年退位される。
崩御のときは1年間の喪があけてから 後継天皇の即位礼となるが、今回は(生前譲位なので)践祚ののち早い時期に即位礼となるはずだ。

江戸時代から昭和天皇までの即位礼と大嘗祭(あわせて「御大礼」という)の様子の絵画資料を展示する展覧会 『京都の御大礼』 がいま京都の細見美術館という『私設』美術館で開かれている。
その展覧会の 招待券を貰ったので行ってみた

展覧会の名前からすると御大礼に関する展示だと思って入ったが、意外にも今回は (御大礼とは直接関係しないが) 特別に(?)2双の行幸図屏風が展示してあり、私はこちらのほうに関心があった。

◆ 「御所参内・聚楽第行幸図屏風」6曲1双 = 天正16年(1588)4月、後陽成天皇が聚楽第(じゅらくてい)に行幸されたときの様子を屏風にしたもの 中立売通下長者町通が描かれている
◆ 「二条城行幸図屏風」6曲1双 = 寛永3年(1626)9月、後水尾天皇が二条城に行幸されたときの様子を屏風にしたもの 中立売通堀川通が描かれている

屏風
意外にも 御所参内・聚楽第行幸図屏風 が展示されていた

とくに 「御所参内・聚楽第行幸図屏風」 は、2009年(いまから9年前)に新潟県の上越市(私個人的には「直江津」の方がなじみがある)で発見されたと公表されたもので、当時私は埼玉県の越谷市に住んでいたが、京都の地元 ~ いま私が住んでいるところ であった400年前のイベントが描かれているので 大変興奮したものだった。

当時聞いた話では、(上越市在住の)屏風の所持者や奥さんから「カビ臭くて早く処分して」と相談を受けた方が、地元の博物館(上越市立総合博物館)に相談して日の目を見ることになったそうだ。
いろんな人の手を経てきたのだろう。それが400年もの時を経て、京都から遠く離れた上越市で見つかるとは奇跡だった。

屏風は所持者から上越市立総合博物館に寄託され、最初は同博物館で公開されたがその後どうなったか忘れていた。
それが京都に来たのだ。
昔(9年前)の記憶がよみがえった。
岩絵具が盛り上がっていたり、保存状態はよかった。
ただ、照明が暗くて(自分の目も悪いのだが)よく分からなかった。

あとで解説本をゆっくり見ることにしよう。
ま、実物に会えたということだけはうれしかった。

展覧会 (『京都の御大礼』) そのものの展示物には、長い歴史と伝統に従って今回も(多分来年に)行われる即位礼と大嘗祭の、過去の様子が克明に記録されていた。
しかし内容は複雑で我々素人には急には理解できない。
その辺は宮廷文化や有職故実の専門家にお任せして、推移を見守るとともに、(もとは中国などの文化をベースにしているんだろうが)日本という国で独自に発展した重厚な伝統文化に感心し、また世界に誇りたい。
日本はすばらしい国だ。

展覧会を見てそう思った。

2018.9.9






84年ぶりの強い台風

2018.9.4

きょう午後、台風が京都の西を通過していった。
四国沖にあって上陸する前、「強い勢力で上陸すれば1993年の台風13号以来 15年ぶり 」 と気象台は警告していた。
だから、午前から交通機関はすべて運行を取りやめ万全を期した。
新幹線も市バスも止まった。

天気図
台風21号のコース

徳島に上陸し、神戸に再上陸した。

天気図
雨雲の動き

ウチのところ(上京区)では午後2時30分~40分頃が一番風がきつかった。
ウチではすだれが何枚も飛ばされ、残りも飛ばされそうなので強風の中で取り外した。

近所では、スーパーの入口に茂るクスノキの大きい枝が折れて、前の道路に吹き飛ばされた。

クスノキの枝が飛ばされた
クスノキの大きい枝が折れて吹き飛ばされた (03:00 PM)

また、ウチの向いにあるビルの前は、小枝や波板、ペットボトルの空瓶などガラクタの吹き溜まりとなっていた。

ビルの前
ビルの前はゴミの吹き溜まりとなった (03:00 PM)

しかし、風がきつかったのはほんの10分か20分で、3時過ぎにはほとんど平穏になった。
夕方に近所を見たら、物干し台(ベランダ?)が壊れた家があった。

壊れたベランダ
壊れたベランダ (05:00 PM)

2018.9.4

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追記 2018.9.5

一夜明け、けさの新聞によると、きのうの台風は 『1934年(昭和9年)に次ぐ』 と書かれていたから、15年ぶり ではなく 84年ぶり ということになる。

記事
きょうの朝刊記事 (© 京都新聞 朝刊)

もっと近づいて見てみよう。

記事
『京都市では最大瞬間風速が戦後最大の39.4㍍を記録し、1934(昭和9)年の室戸台風に次ぐ観測史上2番目の暴風となった。』(© 京都新聞 朝刊)

いやはやスゴかった。

近くの堀川端には12本の柳並木があるが、12本のうち8本が根元から倒れた。
大阪・御堂筋では、シンボルのイチョウ並木の枝が多数折れたという。

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追記 2018.9.6

きょう京都御苑に行ったら案の定多くの木が倒れたり、大きな枝が折れたりの被害が出ていた。

京都御苑
エノキがテニスコートに倒れ込んでいた

京都御苑
エノキ(?)が大宮御所の築地塀の上に倒れ込んでいた

京都御苑
赤松が根元から折れていた

御苑を管理する環境省は急に仕事が増えた。

2018.9.4~9.6





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shochan31

Author:shochan31
名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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