欲 まる出し

2013.6.16

『きょうのわたし』 は京都市の郊外にある三室戸寺(みむろどじ)へあじさい見物。

去年秋に京都に引っ越してきたが、京都では三室戸寺があじさいの寺として有名らしく、よく宣伝している。
あじさいが見ごろかなと思って出かけた。
普通、京都のお寺の境内に入るときは 「拝観料」だがこのお寺は 「入山料」 だった。

「入山料」 を払うところで聞いてみたら 「もう見ごろに近いですよ」 とのことだった。
中に入ってみると確かによく咲いている。

あじさいの名所というだけのことはある

あじさいは観賞用にいろんな品種が作られているようだ。
境内には多種多彩なあじさいが一面に咲いており、ひとつひとつ見ていっても興味はつきない。
宣伝するだけのことはある。
お寺の境内に入って石段を登り切るとまず迎えてくれるのが顔は 寿老人(じゅろうじん)(?) で体は蛇(?)が とぐろ を巻いているという奇妙な石の彫刻。
※ このブログを書いたあとで分かったのだが、この彫刻は 寿老人 ではなく 宇賀神(うがじん) さんという神さんなんだそうだ。

顔は寿老人(?)で体は蛇(?)

見れば彫刻の前に 「耳をさわれば福がくる」 「髭を撫でると健康長寿」 「しっぽをさすれば金運がつく」 との張り紙。
それにつられへみんな耳にさわったりしっぽをさすったり ・・・

現世利益丸出し

ほほえましい風景だとぼんやり眺めていたら、あとから来た若い男性が自分の子供 (見たところ小学校低学年の男の子) に 「わぁ、(よく)まるだしや!」 といって子供に見せないようにしているのを見てびっくりした。
でもよく考えたら 「しっぽをさすれば金運がつく」 なんてのは教育上よくないのかもわからない。
そうだとすれば、その父親は良い教育者だ。
感心した。

更に進んでいくと行列があった。
なんだなんだとみてみると 「福徳(うさぎ)」 と銘打ったウサギの彫刻で、「この中にある玉子を立てると足腰が健康になる」 という張り紙があった。
そのために行列ができていたのだ。

ここにもあった
玉子を立てる人の列

やり終わった人に聞いてみたら、大きな玉にある穴に手をつっこむと、中にニワトリの玉子より少し大きい石(?)の玉子が置いてあり、立てるのは別に難しいことではなく、誰にでも簡単にできるという。
手をつっこんだらすでに立っていることもあるらしい。
ウサギはピョンピョン跳ねるので、その連想で「足腰が健康になる」としたのだろう。
ほほえましくて苦笑した。
手前の黒い金属製の箱はお賽銭箱。

日本人は神様にお願いするものだが、このお寺は現世のご利益をかなえてくれるらしい。
信仰の寺というより 「観光寺院」 だなと思った。

そういえば、あじさいの咲く斜面の川を挟んで反対側の斜面は手入れの行き届いたツツジの株がいっぱいで (もちろん今は花は咲いてない)、このお寺は 「ツツジ」 の名所でもあるとのこと。
さらに秋は 「紅葉(もみじ)」 の名所だとのこと。

なるほど信仰の寺でなく 「観光寺院」 だ。
そういった “経営” も現世的で、このお寺にさっきの石の彫刻が置かれた意味もわかってきた。
笑えない現実だ。

2013.6.16










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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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