天平時代の世界

2013.11.10

きょうは『正倉院(しょうそういん)展』を見に奈良にある奈良国立博物館へ行ってきた。

私の若いころ岩波書店から「岩波写真文庫」というシリーズが出版されていて、その中に正倉院の宝物(ほうもつ)を紹介したのがあって、繰り返し眺めていた。

私は京都に住んでいて「古都」などと言われているが、正倉院の宝物はそれより昔のものだ。
そんな古い時代にあって非常に手の込んだ工芸作品があって、正倉院の収蔵品はほんとうに日本の宝だなぁとず~っと思い続けてきた。
そして、奈良国立博物館では毎年秋に、そういった宝物の何点かを『正倉院展』と銘うって公開展示していることも知っていた。
しかし私にとって生涯このかた『正倉院展』を見に行くチャンスはなかった。

そしてきょう遂に『正倉院展』を見に行ったのだ。

遂に『正倉院展』を見に行った

今年の出展品の中で私が最も注目したのは「(へい) 螺鈿(らでん) (はいの) 円鏡(えんきょう)

鏡といっても昔は青銅製で丸い形をしており、顔などを写す面(鏡面)の裏側に装飾をするならわしになっていた。
もっと昔は「三角(さんかく) (ぶち) 神獣(しんじゅう) (きょう)」のように浮彫り(レリーフ)で装飾していた。

平螺鈿背円鏡
© 「じゃらん」の奈良旅行サイトから引用

ところがこれは・・・よく見ると螺鈿やカラフルな石で花をあしたったにぎやかな装飾だ。
聞くところによると、螺鈿に使う貝 ― 夜光貝は沖縄やフィリピンで採れるらしい。その他琥珀(こはく)はミャンマー産、トルコ石はイラン産、ラピスラズリはアフガニスタン産と推測されるらしい。
まったく世界中から素材を集めているではないか。

今のように飛行機もない。船旅だって危険だった。遣唐使の失敗例からわかる。そんな時代、イランとかアフガニスタン・・・とか、とっても考えられない位 遥か彼方だ。
シルクロードを伝わってきたのだ。
考えるだけで卒倒しそうだ。

正倉院にはその他、中近東製のガラスの器やラクダの絵をあしらった琵琶など、世界の広がりを感じずにはいられない名品も多い。

工芸の技の素晴らしさに加え、そういった世界文化が、地の果て、要するに「(きょくく)(とう)(ファー・イースト)の日本にまで伝わってきていることに深く感激する。

さらに、それを保存して後世に伝えたいと考えた光明皇后の発想。
さらに、それから1400年もの間保存してきた関係者。
もう気の遠くなる話ばかりだ。

深く感激した。

2013.11.10





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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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