榧(カヤ)の巨木

2014.3.16

梅の花の便りが毎日寄せられるきょうこの頃。
きょうは京都郊外、といっても京都市山科区で、いまでは地下鉄ですぐ行ける『小野』というところに行った。
目的地は梅の名所で名高い隨心院(ずいしんいん)というお寺。
境内に「小野梅園」があるという。
隨心院の名前は昔から聞いているが、訪れるのは初めてだ。

で、地下鉄の駅から隨心院に向かって歩いていると巨木が目に留まった。
太い幹にはしめ縄が巻かれ、何か信仰の対象でもあるように見受けられた。

道端で見つけた巨木
道端で見つけた巨木

もう1本の榧(カヤ)の巨木葉っぱがもみ(樅)に似ていたので、近くの老人に「アレはもみの木ですか」と聞いたら うなづいたので、てっきりそうだと思って歩きかけたら、ご婦人が追いかけてきて

「アレは榧(カヤ)の木ですよ」と教えてくれた。

続けて

ここ小野には昔 小野小町が住んでたんですよ。
小野小町のウチに深草少将が毎晩通ってきては「榧(カヤ)の実」を1粒ずつ置いて行ったんですよ。
九十九日目、ちょうどその夜は雪で、小野小町のウチにたどり着いたけど倒れてしまったのね。
その榧の実をこの地の周辺に撒いて、大きくなったのが榧の木なんですよ。
昔はこの付近にも何本か残っていましたけど いまはアノ木と、もひとつだけしか残ってないのよね。


へ~、深草少将が100日通って思いを遂げられなかった話はよく聞くが、榧(カヤ)の実の話は知らなかった。

アソコの道を曲がっていけば、もうひとつの榧の木がありますよ。

と、指差して道を教えてくれた。
きょうの目的地は梅の隨心院なんだけど、興味はこっちのほうにあった。
それで さっそく横道にそれる。

おお ! あったあった。これか !
フーム なかなか立派な榧の木だ。
こちらもしめ縄が巻かれている。

榧(カヤ)の巨木
2014.3.16
山科・小野に残る榧(カヤ)の巨木

巨木を見ると畏敬(いけい)の念にかられる。
だから地元の人がしめ縄を張ったのだろうか。

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さて道草を食ってしまったが、引き返して隨心院の梅園に向かった。
総門をくぐって参道に入ると梅が見事に咲いていた ・・・

随心院の参道で
2014.3.16
随心院の参道で

・・・ と思ったのは早合点で、その奥にある「小野梅園」の方はまだチラホラ咲きで、観光客もまばらだった。
近くにいた人に聞いたら「今年(の梅の開花)はいつもより遅いですね」とのことだった。

随心院の庫裏
随心院の庫裏
近くには「花の色はうつりにけりな・・・」の歌碑があった

梅園から庫裏(くり)のほうに回ると、その近くに「花の色はうつりにけりな・・・」の歌碑があった。
これはだれでも知っている小野小町の有名な歌なので、みんな写真を撮っていた
また、さっき地元の人に聞いた榧(カヤ)の木伝説を説明する駒札も立っていた。

榧(カヤ)の木伝説を説明する駒札


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庫裏に入れてもらったら、玄関横の中庭に黄色い花の咲く木があった。
枝に「サンシュユ」という札が下がっていた。
「サンシュユ」? あまりなじみのない木だ。

サンシュユ(山茱萸)の花を回廊から見る
2014.3.16
珍しい「サンシュユ(山茱萸)」の花

葉が出る前に黄色い花をつけるところは、こないだ京都御苑(きょうとぎょえん)で見たマンサクとよく似ている、と思った。
【⇒ こちら をクリックすると 京都御苑のマンサクが 別のウインドウで見られます。】

「サンシュユ(山茱萸)」の花

ひとつひとつがオシベなのか、はたまた花なのかよく分からない。
昔の女性の簪(かんざし)みたいなのが沢山ある、めずらしい形の花だ。

「サンシュユ(山茱萸)」の花、クローズアップ


きょうの私は樹木を()でる一日だった。

2014.3.16











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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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