「投」薬とは
2015.3.15
また東福寺へにやってきた。
去年の5月以来だ。
あのときは新緑が目に染みるころだった。
ちなみにそのときのお話はこちら →
今回は地元の「京都新聞」に、東福寺ではお釈迦 さんの命日にその遺徳をしのぶ「涅槃会 」にあわせ、同寺に伝わる大涅槃図を一般公開している、という記事が出ていたので見に行ったもの。

大涅槃図
いまから600年前に描かれた日本最大の涅槃図(縦15m)
涅槃図は昔からよく描かれるテーマで、亡くなって横たわるお釈迦さんの周りでお弟子さんや動物たちが嘆き悲しむ構図はお馴染みのものだ。
ところが、ふつう動物たちの中にネコはいないのだが、この図にはネコが描かれている、のでつとに有名だとか。

ネコが描かれている
そのネコが注目されのか、わざわざ矢印で指し示し、ライトまであてられている。
えらい注目のされようだ。
ガイドさんの説明に耳を傾けていると・・・
お釈迦さんの容体が悪いというのを聞きつけた母親の麻耶夫人 (そのときすでにこの世にいなかった)が、息子のためにお薬を入れた包みを天国から投げ下ろした。
しかしその包みは沙羅双樹の枝に引っかかってしまった。
ネズミが樹に登ってそのお薬を取に行こうとしたが、ネコが来てそのネズミを食ってしまった。
結局お薬はお釈迦さんのもとには届かず亡くなった・・・。
「ほれ、左から2本目の樹の枝に黒い包みが見えるでしょ、あれがお薬の包みです」
「ネコのせいで薬が届かなかったので、ネコは涅槃図には描かれないのです」
「お薬を与えることを『投薬』といいますが、患者に薬を投げつけるとは随分失礼な話ですが、実はその『投』はこの話から来ているのです」 (息子を思う母心だとか)
ガイトさんの説明は立て板に水を流すように流暢だ。
へぇー、知らなかった。
では、この絵には約束事を破って、どうしてネコが描かれているのか・・・
ガイトさんの説明は続く。
東福寺の画僧 吉山明兆(きつさん みんちょう或いはきちざん みんちょう)がこの絵を描いているとき、朱色の絵の具をきらして困っていた。その事情を知った一匹の猫が近くの”絵の具谷”というところに行って朱色の絵の具を運んできてくれ、そのお陰で絵を完成することができた。そのお礼として、猫を描き入れた。
へぇー、ほんとかなぁ。話としては面白いけど・・・。
入れ替わり立ち代わりいろんなツアーの人が訪れてくるが、ガイドさんの説明をきいていると、人によっていろんな脚色がある。
ガイドさんのガイドの聞き比べも面白いもんだ。
京都って、調べるといろいろ奥深いなぁと思った。
2015.3.15
また東福寺へにやってきた。

あのときは新緑が目に染みるころだった。
ちなみにそのときのお話はこちら →
今回は地元の「京都新聞」に、東福寺ではお

大涅槃図
いまから600年前に描かれた日本最大の涅槃図(縦15m)
涅槃図は昔からよく描かれるテーマで、亡くなって横たわるお釈迦さんの周りでお弟子さんや動物たちが嘆き悲しむ構図はお馴染みのものだ。
ところが、ふつう動物たちの中にネコはいないのだが、この図にはネコが描かれている、のでつとに有名だとか。

ネコが描かれている
そのネコが注目されのか、わざわざ矢印で指し示し、ライトまであてられている。
えらい注目のされようだ。
ガイドさんの説明に耳を傾けていると・・・
お釈迦さんの容体が悪いというのを聞きつけた母親の麻耶
しかしその包みは沙羅双樹の枝に引っかかってしまった。
ネズミが樹に登ってそのお薬を取に行こうとしたが、ネコが来てそのネズミを食ってしまった。
結局お薬はお釈迦さんのもとには届かず亡くなった・・・。
「ほれ、左から2本目の樹の枝に黒い包みが見えるでしょ、あれがお薬の包みです」
「ネコのせいで薬が届かなかったので、ネコは涅槃図には描かれないのです」
「お薬を与えることを『投薬』といいますが、患者に薬を投げつけるとは随分失礼な話ですが、実はその『投』はこの話から来ているのです」 (息子を思う母心だとか)

へぇー、知らなかった。
では、この絵には約束事を破って、どうしてネコが描かれているのか・・・
ガイトさんの説明は続く。
東福寺の画僧 吉山明兆(きつさん みんちょう或いはきちざん みんちょう)がこの絵を描いているとき、朱色の絵の具をきらして困っていた。その事情を知った一匹の猫が近くの”絵の具谷”というところに行って朱色の絵の具を運んできてくれ、そのお陰で絵を完成することができた。そのお礼として、猫を描き入れた。
へぇー、ほんとかなぁ。話としては面白いけど・・・。
入れ替わり立ち代わりいろんなツアーの人が訪れてくるが、ガイドさんの説明をきいていると、人によっていろんな脚色がある。
ガイドさんのガイドの聞き比べも面白いもんだ。
京都って、調べるといろいろ奥深いなぁと思った。
2015.3.15
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