グルジアがジョージアに

2015.6.15

旧ソ連邦のグルジア(当時はグルジア共和国)はジョージアと同じだ、とはかねてより聞いていた。

夕刊を開いたら 『ジョージア(グルジア)の首都トビリシで・・・』 と書かれているのに気がついた。
あぁ、ついにグルジアはジョージアと呼ばれる(書かれる)ようになったのか・・・ と思った。

きょうの夕刊記事
きょうの夕刊記事 (© 日本経済新聞 夕刊)

ところが調べてみると、新聞記事の統一表記法のレベルの話じゃないことがわかった。
「在外公館の名称・位置ならびに在外公館勤務外務公務員給与法」という聞いたこともない法律があって、グルジアをジョージアと呼ぶ、という改正案が成立して 4月22日に施行されたのだという。
法的根拠のある、大変重たいきまりである。

グルジアの国の名前は、グルジア(昔はグルジア共和国)の公用語・グルジア語では「サカルトベロ」というらしい。
実は「グルジア」というのはロシア語なのだが、グルジア人がロシア語を嫌って、英語読みの「ジョージア」にしてほしいと、グルジアの方から我が国に頼んできたらしい。
(グルジア人はロシアをよっぽど嫌っているらしい)

我が国の公用語・日本語で、我が国のことを「ニッポン」という。
切手には「NIPPON」と書かれて久しい。オリンピックには、選手は胸に「NIPPON」と書いて出場する。でも外国人はだぁれも「ニッポン」と呼んでくれなくて英語の「ジャパン」だ。(フランス語で「ジャポン」、ドイツ語で「ヤーパン」、スペイン語で「ハポン」等々)
そしてついには 仕方なく 自らも「ジャパン」と名乗っている。

グルジア人は、現地語の「サカルトベロ」ではなく、自ら進んで 英語読みの「ジョージア」にしてほしいと希望している訳だ。

へぇー、英語の株も上がったもんだ。英語はもう 『世界語』 だもんね。
英語という 『世界語』 で行こう グルジア人の決意に脱帽した。

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とグルジア人を持ち上げておいて恐縮だが、これにはひとつ大きな難点がある。
それは「ジョージア」はアメリカにもある、ということだ。
同じ名前の地名は混乱のもとだし、いただけない。

九州の宇佐(USA、大分県宇佐市)とアメリカの国の名前(USA)は一緒だという話がある。
宇佐神宮は奈良時代以前の創建らしいし、宇佐という地名はもっと古い卑弥呼(ひみこ)の時代には既にあったのかもわからない。
アメリカ(USA)は独立したのはわずか200年余り前だが、自分たちの国の略称(彼らは略称の方をよく使う)が、まさか太平洋の向こうの国に2000年近く(?)も前から同じ名前の町があったとは夢にも思ってみなかっただろう。
アメリカには小さな町の名前だが London も Paris もある。
まあ、この辺は 「格」(?) がちがうし、歴史的な背景もある。
混乱したという話はチットも聞かない。

しかし、アメリカ南東部のジョージア州と中央アジアの国ジョージアは 「格」(?) も同じくらいだし、混同しないかと心配する。
でも、ジョージア州の州都「アトランタ」とジョージア国の首都「トビリシ」はもう既に姉妹都市提携を結んでいるという。
だから(みにく)本家(ほんけ)争い もないようだ。
仲良きことは美しきかな 』 (武者小路実篤(さねあつ))だ。

2015.6.15











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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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