伝統の行事

2016.5.3

きょうは生まれて初めて 「流鏑馬(やぶさめ)」 というものを見た。
疾走する馬上から的を射るもので、子供のころから知っているが、京都の(ただす)の森(下鴨神社境内)で行われるというので、見に行った。

平安の昔から行われている「葵祭」の前に、祭りが無事に行われるように祓い清める神事だというが、会場の解説アナウンスでは、流鏑馬を行っていたことは 「続日本紀」 に載っているというから、これは古い。

平安京以前のこの辺りには「鴨(賀茂)氏」が住んでいたというし、豊作と疫病退散を祈願したのが、「葵祭」(昔は賀茂祭といった)のそもそもの始まりだという。
大陸から渡ってきた原日本人に、騎馬民族の血が流れていたのだろうか。

毎年このイベントの写真を撮りに来ているという人(アマチュアカメラマン)が、私の周りに多数おられた。
そういう方は脚立を持ってきて用意周到だ。
「(有料観覧席の)前の方の方が興奮して立ち上がったら、みんな立ち上がる、そしたら人の背中しか撮れへん」
「全然ええ写真が撮れへんかった年もある」
と言われて心配したが、いざ始まってみても 前で立つ人はいなかった。
「ことしは行儀がいいわ」といいながら、いまうまく撮れた写真を見せてくれた。

私は人のうしろから、両手でカメラを上の方に差し上げて撮ってみた。

流鏑馬神事
流鏑馬神事

全力で疾走する馬のアブミ(鐙)の上に立ち、つまり手綱(たづな)を持たずに、的(約45センチ四方の杉板)を矢を射るのだから極めて難しい技だ。
1回の疾走に的が3か所あるが、的中するたびにワッという歓声と拍手が沸いた。
中には3つとも射当てる騎手もいて、大きな拍手が沸いた。(1つは「的中」、3つとも的中すると「皆中(かいちゅう)」という。)

打ち抜いた的板は縁起もので、「当的(あたりまと)」として求める人もいた。

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当り的

なかなか勇壮、かつ華麗なイベントだった。

ところで、インターネットにが「やぶなび」というサイトがあって、日本中で行われる流鏑馬イベントがデータベースになっていた。
それによると、北海道から鹿児島まで全国各地で行われていて、244件もリストアップされていた。
ということは、流鏑馬はそんなに珍しくない、ってことだ。
なぁーんだ。

2016.5.3





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