伝統の行事 (2)

2016.5.5

京都の伝統行事 『葵祭』 に先立つ儀式として、下鴨神社で歩射神事(ぶしゃしんじ)というものが行われた。

『葵祭』 のとき(5月15日)に勅使が下鴨神社に  を届けに来る。
そときに通る楼門を穢れないように邪気を払う儀式で、もとは平安時代に宮中で行われていた「射礼儀(じゃらいのぎ)」が由来だという。

旧石器時代の遺跡から石の矢じりが出てきたりするように、矢は人類最古の武器だ。
それで邪気を追い払うというのは、かなり大昔から行われてきたのだろうと、想像をふくらませた。

まずは「屋越式(やごししき)」
矢が 下鴨神社の楼門を飛び越えるように高く射られた。

屋越式
屋越式(やごししき)

続いて「百々手式(ももてしき)」
多数の射手が次々に連続して矢を 大きな的に向けて射る儀式だ。

百々手式
百々手式(ももてしき)

ヒユーン パシッ、 ヒユーン パシッ と小気味よい音が連続する。
ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)
このとき面白い話を聞いた。
つい先日、ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)という野草を知ったとき、矢筈と言われたってなんのことかよく分からなかったが、『小葉の先端がくぼんでいるのが矢筈に似ているという』 と教わったことがあった。 
きょう聞いた話は、『筈と弦とが合うのは当然』 だから、「その筈」 というのだという。

「筈」の語源は ここからきているのだとか。
へぇー

矢筈
矢の筈と弦とが合うのは当然
だから当たり前のことを 「筈」 という


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歩射神事のあと、同じ 『葵祭』 に先立つ儀式が上賀茂神社であるというので、見に行った。
それは、賀茂競馬会神事(かもくらべうましんじ)。
文字どおり競馬(けいば)である。

賀茂競馬会神事
賀茂競馬会神事

解説によれば、平安時代後期から続いている神事だという。

いずれを取ってみても古い伝統行事だ。
きょうは日に当たると暑いが風は爽やかで、文字どおり「風薫る五月」で。
気持ちの良い一日だった。

2016.5.5



【過去の関連記事】 見て歩る記 京都編(京都府も含む)
ただし、2015年以降、2014年以前はこちら

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