実はおいしい

2017.10.19

家内の友達が福井県の小浜(おばま)にいる。
きょう、その友達が所属する団体の人たち15人がマイクロバスで京都観光に来た。

それで、私がウチの近くの二条城の中を案内してあげた。
とくに今年は大政奉還百五〇年ということで人気が高まっている観光名所だ。

案内したお礼と言って、小浜名産の 『(さば)の缶詰』 をいただいた。

鯖の缶詰
3種類の鯖の缶詰

上から
味付(本醸造醤油仕立て)
味付(国内産生姜入)
味噌煮(若狭五徳みそ使用)
いずれも筆で大きく書いた 『(さば)』 の文字の左に赤で 『若狭小浜』 と強調してある。

江戸時代、海のない京都にとって、小浜から運ばれてくるサバは貴重な海産物だった。
しかし、サバは腐り易いサカナだそうだ。
そこで、冷凍技術のなかった当時は、生サバを塩でしめて陸運され、京都に届くのに丸1日を要したが、京都に着く頃にはちょうど良い塩加減になり、京都の庶民を中心に重宝された。
鯖寿司は京都ではハレの日のご馳走だ。
小浜から京都に通じる道はいまでも 『鯖街道』 と呼ばれている。
きょうの15人の団体も、マイクロバスで 『鯖街道』 を走ってきたという。

われわれ京都人にとって、小浜といえばサバの名産地だ。
他にも、サバを塩づけにし、さらに糠漬けにした郷土料理 『へしこ』 も有名だ。

ところが、缶詰の裏側を何気なく見て驚いた。
若狭小浜の鯖がノルウェー産と書かれているではないか。
複雑な気分になった。
多分、もう若狭湾では鯖が捕れないのだろう。
そう思った。

鯖の缶詰
味付(本醸造醤油仕立て)

インターネットで調べてみたら、マサバとゴマサバとセイヨウサバがあるという。
『マサバとゴマサバはいずれも日本近海の代表的な<大衆魚>で漁獲量の多い魚だったが、マサバは近年漁獲量が減ってきていまや<高級魚>となっている。』
『マサバを食べるときは、お財布と相談してからのほうがいい。』
とのこと。そして、
『セイヨウサバは、北大西洋を回遊しているため、脂肪含有量がシーズンオフで27%、旬の時期になると30%を越すと言われており、実はマサバよりも脂がのっていておいしい。』
『セイヨウサバは主にノルウェーから輸入される。』 と。
へぇー、そうだったのか。

小浜の人にとっては屈辱かもわからないが、セイヨウサバの方が安くておいしい、ということか。

それでさっそく 味付(本醸造醤油仕立て) の缶をあけ、試食させてもらった。
お酒の肴(さかな)にぴったりだった。

2017.10.19





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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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