現役の発電所

2018.4.2

先日琵琶湖疏水の掘割りを遊覧船で見て回った。
あれは3月24日、そのときは桜はほとんど咲いていなかった。
きょう所用で、その掘割りの辺(ほとり)を通る機会があった。
桜は満開で、もう散りかけていた。

やや下流にダムがあり、そこに上流から流れ着いた桜の花びらが溜まっていた。
その珍しい光景に 思わずカメラを取り出してパチリと1枚。

夷川ダム
夷川ダム 2018.4.2 16:20 AM

ダムの中州には立派な人物像が立っているのが見えた。
ああ、あれが噂の北垣国道氏か。
琵琶湖疏水建設に尽力された、当時の京都府知事だ。

北垣国道像
金属供出のため撤去とある

説明文の中で 「 ・・・ 第二次世界大戦中の金属供出のため撤去 ・・・ 」 の一節が気になった。
へぇー こんなものまで供出させられたのか。
像は金属の塊だから相当貢献しただろう。
当時、反対する京都市民もいただろうに。
いや、こんなものまで供出したんだぞ !! と京都市民がアピールできたのかもわからない。
世の中が “戦意発揚” と一丸となった恐ろしい時代だったんだろう。
そんなことが頭をよぎった。

台座の碑文も書いてあった。
インターネットで探したら碑文は載っていた。
それをコピーすると ・・・

説明板
台座の碑文も書いてあった


正三位勲二等男爵北垣國道君曩為京都府知事也主講水利廣論都下人士起琵琶湖疏水之工自明治十八年八月至廿三年四月告竣疏鑿三里導流一道而水力之用運輸之利極大矣於是衆咸頌其功胥謀銅鑄君像立于水上以表永遠懐恵之意云
明治丗五年八月建  京都市參事會


悲しいかな、私はほとんど読めない。
当時の人は読めたんだろうか。
当時の人の国語力はレベルが高かったんだなぁ~。

この像は平成2年、1990年に再建されたものだという。
当時私は埼玉にいたので、銅像が再建されたことは知らなかったが、さぞかし話題になったことだろう。

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その銅像の下流は本当にダムになっていて放水していた。


ダムの放水

ということは、発電しているのか?

ここにも説明板があって、「1914年以来発電している」 と書かれている。
「認可出力 300kw」 の “認可” 出力という意味がよく分からないが、多分監督官庁(国)が “認可” しているんだろう。
それがなんと、たったの “300kw” 。
桁が間違っているのではないかと疑ったが、間違いなさそうだ。

夷川発電所
現役の水力発電所

それでもちゃんと、100年以上にわたって発電しているというからたいしたもんだ。

感心するやら驚くやら ・・・ だった。
京都はいろんなものがあるなぁ 。

2018.4.2




【過去の関連記事】 見て歩る記 京都編(京都府も含む)
ただし、2015年以降、2014年以前はこちら

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