サツキ 古寺染める

2019.6.8

数日前、新聞に 『サツキ 古寺染める』 という記事が載った。
京都郊外、善峯寺(よしみねでら)境内に咲くサツキが見ごろだという記事だった。

新聞
© 京都新聞 2019.6.3 朝刊

善峯寺は桜やもみじ(紅葉)の名所と聞いている。
また、うちの近所で生まれたお玉さん(のちの桂昌院)が寄進したお寺とも聞いているので親近感があり、一度行きたいと思っていた。
しかし京都郊外なので足の便が悪く、行く機会がなかった。
新聞記事を見て、ようやく重い腰をあげた。

JR向日町駅からバスで向かう。
便は昼間のみ1時間ごとに1本と少ない。
だから、新聞記事に引かれた客が押し寄せたらバスは超満員になるかと恐れていたが、意外と少ない乗客で肩透かしをくった。

善峯寺
バスは意外と空いていた

細くなった山道を登って、約 30 分で終点の 「善峯寺」 に着いた。

善峯寺
バスの終点 「善峯寺」

人の後をついていくと赤い橋があった。
ここからお寺に通じるらしい。

善峯寺
ここから善峯寺に向かう

たちまち急こう配の道になり、

善峯寺
つづら折れの道

つづら折れの道が続く。

善峯寺
つづら折れの道

ややあって門があった。
「善峯寺東門」「西国二十番札所」 とある。

善峯寺
東門

さらに石段を登って山門に至る。
なかなか立派な門だ。
よれよれになったしめ縄が面白い。

善峯寺
山門

入山料(¥500)を納めて境内に入る。
まずは本堂の観音堂。
これが信仰を集める 「西国二十番札所」 である。
日本人にとって観音信仰は根強い人気がある。

善峯寺
西国二十番札所、善峯寺観音堂

観音堂の右、「遊龍の松」 の案内板の矢印に従って進むと、低く平らに枝を延ばした松があった。
へぇー、これが音に聞く 遊龍の松 かぁ。
なるほど、「日本一の松」 と人口に膾炙するだけのことはある。

善峯寺
遊龍の松、こちらは北側の枝で今から25年ほど前半分に切られたそうだ

入山のときに貰った案内書には 「樹齢六百年以上、現在全長37メートル」 とあった。
もとは左右に50メートル以上延びていたが、1994(平成6)年に松食い虫にやられ、北側の枝が15メートルほどが切られたそうだ。
お寺の関係者の心痛を想像してしばし考え込んだ。

気を取り直して前に進むと京都市内を一望できる場所があった。
高いところに登ってあたり一面を見渡すのは気持ちがいい。

善峯寺
真ん中の峰が比叡山

その先には一面に紫陽花(あじさい)を植えたところがあった。
私が京都に越してきた頃、紫陽花の名所として名高い三室戸寺(みむろどじ)に紫陽花を見に行ったことがあった。 ( こちら、2013.6.16
インターネットによると、この善峯寺も三室戸寺と同様 「あじさいの寺」 として近年売り出しているという。
見ごろには少し早いようだった。

善峯寺
あじさい苑

そしていよいよサツキ。
あ、ここが新聞に載っていた 「石垣に沿った」 所かぁ。
新聞に載ってから4~5日経つので、花は盛りを過ぎたようで、道端に落ちて吹き寄せられていた。

善峯寺
サツキを撮る人、あのうしろは薬師堂

しかし、別の場所ではサツキが満開で、目の覚めるようだった。

善峯寺
満開のサツキ

境内の奥には薬師堂というのがあって、一番高いところだ。
さっきの場所よりもさらに見晴らしが利く。
「あれが東山で・・・」 「京都タワーも見えるわ」 「あっちが稲荷の方かな・・・」 などと男性客が話していた。
これが王城鎮護の地か、と想いを馳せた。

善峯寺
薬師堂から市内を一望

春のころは桜が見事だというからまた訪れたい、と思った。

2019.6.8








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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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