遺願に忠実に従う

2024.3.15

きょう3月15日はお釈迦さまの命日だ。
各寺院では 『涅槃会(ねはんえ)』 が執り行われ、それにあわせて、涅槃図が公開されることが多い。
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かつて、東福寺の涅槃図を拝観しに行ったことがあった。
涅槃図は多くの弟子や動物たちが嘆き悲しむ構図だが、ふつう猫は描かれない。
しかし、この絵には猫が描かれていて珍しいとのことだった。

東福寺の涅槃図を見たとき (2015.3.15) の様子は、コレ
(画像をクリックすると当時の記事に飛びます)

この東福寺の涅槃図は縦15mという巨大なものだが、さらに大きな、縦16mの本邦最大の涅槃図があり、きょうの涅槃会には拝観できると聞き、泉涌寺に行ってみた。

泉涌寺
涅槃図のあるのは仏殿で、涅槃会には公開されるから "特別公開" ではない
ただし、「舎利殿」 は特別公開

入ってすぐ正面に見えるのが涅槃図のある仏殿だ。

泉涌寺

縦16メートル幅8メートルで、天井から床にかけてコの字型に折り畳んで吊らねばならないという巨大なものだ。
この仏殿の天井には狩野探幽が描いた雲龍図があるのだが、きょうは巨大涅槃図に隠れて見えない。

泉涌寺

泉涌寺涅槃図
© 産経新聞電子版 2024.3.13 より拝借。きょうの光景ではなく、きょうの涅槃会のためにおととい掛け(縣け)られたときの様子

ちょうど私が行ったころ〔朝10時頃〕、涅槃図の前で法要が行われていた。
お坊さんが舎利塔を供えてお経をあげ、周りに立つお坊さんはお経をあげながら散華(花びらを捲く)されていた。

聞けば、この絵は江戸時代の明誉(みょうよ)上人(1653-1717)という画僧の絶筆で、「涅槃会に仏牙と共に本作を縣け、僧俗に拝んでもらい」 という遺願 (死後に遺す願い)を残して(遺して)亡くなられたという。
そして、きょうはその遺願どおり、仏牙(=仏舎利)を供えてお経をあげられているのだった。
遺願に忠実に従い、その伝統を絶やさず続けている というに驚いた。

また、描かれて300年以上経つが、色鮮やかなのにも驚いた。
一見織物のように見えたが、聞くと、和紙を何枚も張り合わせて強度をだしている、とのことだった。

きょうはこの涅槃図を拝観するのが目的だったが、特別公開されている 「舎利殿」 も拝観させてもらった。
「舎利殿」 というのは文字どおり舎利(=仏舎利、仏牙)を納めるお堂だ。
ここ泉涌寺に伝わる仏牙は、お釈迦さんの4本しかない犬歯のうちの1本とのことで、他の仏舎利よりありがたいとされているとのことだった。

さきほどの(仏殿の)仏牙は ふだんこちらに安置されているが、涅槃会のときだけ明誉上人の遺願 を叶えるため、仏殿に移されていると聞いた。

だから、いまは空になった大きな仏舎利容器だけが残されている訳だが、ここの話題は天井に描かれた雲龍図だ。
狩野山楽(1559-1635)が描いたも鳴き龍で、よく鳴く(鳴る)ので、日光東照宮の鳴き龍に対しこちらは 「西の鳴き龍」 として知られているとのこと。
説明員の指示に従って、示されえた位置で一人ずつ「パーン」と手を叩くのだが、うまくいく人もあれば、パチンと小さな音で失敗する人もいる。
私もやってみたら、ビビーンと響いた。
そのうち説明員がおられなくなると、その場が乱れて皆が思い思いに叩き始めた。

舎利殿
手を叩いて試す

もうこうなると収拾がつかない。(笑)

この雲龍図は12年に一度の辰年ほか特別な機会にのみ公開されるというもので、今年は辰年なので来週月曜、3月18日までで、しばらく非公開になるという。
そんな貴重な文化財に出会えてラッキーだった。

2024.3.15









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名前が しょうじ なので障子が背景となっている。ペンネームはアルファベットで shochan(しょうじの愛称)だが数字 31 の由来は不明だ。

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